糸リフト(スレッドリフト)効果やダウンタイムについて解説
気になるフェイスラインや目元、口元のリフトアップ効果が期待できる糸リフト(スレッドリフト)。皮膚を切らずにたるみを持ち上げるため、自然なリフトアップ効果が期待でき、人気の施術の一つです。
この記事では、糸リフト(スレッドリフト)の効果やダウンタイム、施術を受ける際の注意点について解説します。
糸リフト(スレッドリフト)とは
糸リフト(スレッドリフト)とは、皮膚の下に特殊な糸を挿入し、たるみを引き上げる治療法です。施術に使用する糸には、時間の経過ともに体内に自然に吸収される「溶ける糸」と、吸収されずに残る「溶けない糸」があります。最近では安全性の高い「溶ける糸」が主流になりつつあります。
糸リフト(スレッドリフト)は、大掛かりな手術と異なり、皮膚を切らずに治療できます。また、フェイスラインだけでなく、目元や口元など気になる所を部分的に治療することも可能です。
糸リフト(スレッドリフト)の効果
糸リフト(スレッドリフト)は、皮膚の深層からたるみを持ち上げ、引き締まったフェイスラインに導きます。
フェイスラインや目元、口元などは、筋肉の衰えや皮下脂肪の減少などによって、加齢とともにたりみやすくなります。
糸リフト(スレッドリフト)は、とげのような突起の付いた糸を皮膚組織に挿入し、土台から皮膚を持ち上げ、たるみを改善する効果が期待できます。
ほかにも、皮膚に挿入した糸の刺激によって、皮膚組織の細胞を活性化させる効果が期待できます。細胞の活性化によって、皮膚組織内で肌に潤いを与えるコラーゲンやハリをもたらすエラスチンなどの産生が促進されます。そのため、自ら潤い弾力のある肌に導くことができるのです。
また、挿入した糸の周りで産生されたコラーゲンやエラスチンのはたらきによって、糸が体内に吸収された後にもリフトアップ効果が持続します。
こんな悩みをお持ちの方へ
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糸リフト(スレッドリフト)の特徴
糸リフト(スレッドリフト)の特徴は、使用する糸の種類によって異なります。糸の種類は、大きく溶けない糸と溶ける糸とに分かれます。ここでは、溶ける糸と溶けない糸の違いやメリット、デメリットについて解説しましょう。
溶ける糸
溶ける糸は、医療現場でも使用される安全性が高い糸です。体に害がないことが大きな特徴です。リフトアップ効果の持続期間は3〜5年程度で、それ以降は自然と体内で吸収されます。
デメリットとしては、安全性が高い反面糸が吸収されるにつれ徐々にリフトアップ効果が弱くなっていくことです。
溶ける糸には、PDO(ポリジオキサノン)、PCL(ポリカプロラクトン)、PLA/PLLA(ポリ乳酸)などの種類があります。
・PDO(ポリジオキサノン)
糸リフトの中では最もよく使用される糸で、安全性が高く、リフトアップ効果や糸の強度は中等度とされています。POD(ポリジオキサノン)を使用する糸リフトは、ウルトラVリフト、ショッピングスレッド、ファインリフト、N-COGリフトなどの施術名で呼ばれています。
・PCL(ポリカプロラクトン)
柔らかく柔軟性があり、ゆっくりと吸収されることが特徴です。はれや痛みなどの副作用が起きにくく、溶ける糸の中では効果の持続期間が最も長いともいわれています。PCL(ポリカプロラクトン)の施術はVOVリフトなどの名称で呼ばれます。
・PLA/PLLA(ポリ乳酸)
溶ける糸の中でも最も糸が硬いことが特徴です。植物が原料で、日本の厚生労働省にあたるアメリカFDA(食品医薬品局)でも承認されている安全性の高い糸です。PLA/PLLA(ポリ乳酸)の糸リフトはコラーゲンリフト、Zリフトなどの施術名で呼ばれます。
溶けない糸
溶けない糸は、溶ける糸と比べたるみを引き上げる効果が高く、リフトアップ効果が長期間持続することが特徴です。個人差がありますが、施術から3〜5年経過しても効果が感じられることもあります。
しかし、溶けない糸であってもずっと効果が持続するわけではないため、効果がなくなったら再び施術を受けなければなりません。
デメリットとしては、生涯皮膚の中に糸が残ることで、違和感が生じることもある点です。また、糸が表面に出てきてしまうリスクや感染を起こすリスクもあります。ほかにも、万が一感染を起こした場合には、糸を取り除かなければならないこともあります。
・PP(ポリプロピレン)
PP(ポリプロピレン)は硬さのある伸縮性の少ない糸です。長期間リフトアップ効果が持続する反面、違和感が残ることがあります。また、個人差はありますが、施術後は2週間程度はれや内出血が生じることもあります。PP(ポリプロピレン)を使用した糸リフトは、アプトス、シルエットリフト、フェザーリフト、ミラクルリフトなどの名称で呼ばれます。
・金の糸
不純物の含まれない純金の糸です。皮膚組織に挿入することでコラーゲンの産生や血行が促進されます。効果の発現には2〜3カ月かかることもありますが、リフトアップ効果は半永久的で、老化の予防にも効果が期待できます。
デメリットは、金属を埋め込むことによりまれにアレルギー反応を起こすリスクがあることや、CTやMRI検査などが受けられないことです。また、金の糸は高額で、一度挿入すると取り出すことができません。そのため金の糸は慎重に検討する必要があるといえるでしょう。また、金属アレルギーがある方は、事前にパッチテストを受ける必要があります。
糸リフト(スレッドリフト)が併用できる施術
糸リフト(スレッドリフト)が併用できる施術には、ヒアルロン酸注射やボトックス注射があります。
ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸注射は、気になる部分にヒアルロン酸を注入することで、しわやほうれい線の改善などが期待できる施術です。糸リフト(スレッドリフト)では、施術によってフェイスラインがシャープになると、まれにほかの部分がくぼんでしまうことがあります。そのような場合、全体のバランスを整えるために部分的にヒアルロン酸を注入することがあります。
ボトックス注射
ボトックス注射は、はちみつに含まれる「ボツリヌス菌」を無毒化した製剤(ボトックス)を、気になる部分に注入する施術です。ボトックスには筋肉の過剰な動きを抑える作用があり、表情じわの改善などに効果が期待できます。ボトックス注射は、糸リフト(スレッドリフト)とは針を挿入する皮膚の深さが異なります。そのため、互いに影響を及ばせることなく併用して施術することが可能です。
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糸リフト(スレッドリフト)と併用できない施術
糸リフト(スレッドリフト)は、ウルトラセルQ(HIFU)、サーマクール、タイタン、レーザー系のジェネシスなどの施術とは併用できません。
糸リフト(スレッドリフト)は皮膚にメスを入れるような大掛かりな手術ではありませんが、麻酔を使用するほか針で糸を挿入するため、皮膚組織に刺激が加わります。そのため、まれに皮膚の内出血や感染症を起こすことがあります。施術後は、皮膚組織が炎症を起こしている状態であるため、強い力や熱を加えないようにする必要があります。
このような理由から、上記の施術とは併用できません。
しかし一般的には、糸リフト(スレッドリフト)の施術後3〜4週間でその他の施術とも併用できるといわれています。他の施術を希望される場合には、医師に相談してみましょう。
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糸リフトによる失敗
皮膚を切らずにリフトアップ効果が期待できる糸リフトですが、皮膚に挿入した糸が原因でデメリット(失敗)が生じることもあります。
糸リフト(スレッドリフト)では、引っ張る力が強すぎたり挿入した糸の位置が微妙にずれてしまったりすると、ひきつれが生じることがあります。
また、糸がずれて部分的に糸と皮膚との間にゆがみが生じ、肌がでこぼこして見えてしまうこともあります。
ほかにも、皮膚の引っ張りすぎや糸を固定する際に生じた毛根の傷などが原因で、頭髪が抜けてしまうこともあります。
そのほか、太い糸を使用した場合には糸が透けて見えてしまうこともあります。
いずれの場合も、溶ける糸を使用している場合には時間の経過と共にこのような不具合は解消されます。しかし、失敗を防ぐために施術前にしっかりとカウンセリングを行い、きめ細やかな施術ができるクリニックを選ぶことが重要です。
施術の流れ
1.カウンセリング・診察
まず、カウンセリングや診察を行います。肌の状態をみながら、施術に使用する糸の本数や効果の期待できる部位などを決定します。
施術のプランや料金、施術後のアフターフォローなどについての説明もカウンセリングや診察の際に行われるため、分からないことは質問して確認しておきましょう。
2.デザイン
診察後は、糸を挿入する部位などリフトアップしたい部分のデザインを決定します。
3.洗顔・メイクオフ
洗顔やクレンジングをし、皮膚についた余分な汚れを落とします。
4.局所麻酔
施術時の痛みを最小限に抑えるため、局所麻酔を使用します。
クリニックによって局所麻酔を注射する前にオプションで麻酔テープや麻酔クリーム、吸い込むタイプの麻酔(笑気ガス)を使用できるところもあります。
5.施術
麻酔後に施術を行います。極細の針を使用し、皮膚の下に糸を挿入していきます。針を挿入する際は皮膚を押されるような感覚がありますが、麻酔が効いているため痛みはありません。
施術時間自体は、クリニックにもよりますが30〜40分程です。
6.施術終了
施術後は止血薬や鎮痛薬、抗菌薬が処方されることがあります。施術後の副作用を防ぐためにも、処方薬は決められた日数きちんと内服するようにしましょう。
施術後はそのまま帰宅でき、メイクも可能です。患部のはれや内出血などが生じたときのため、マスクを用意しておくと安心です。
施術後に気になることがある場合にはクリニックに確認しましょう。
ダウンタイム・注意事項
ここでは、糸リフト(スレッドリフト)のダウンタイムや注意点について解説します。施術を受けられない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
痛み
糸リフト(スレッドリフト)では痛みを最小限に抑えるために麻酔を使用します。麻酔を使用する際に多少の痛みが生じるものの、施術では痛みが生じないことがほとんどです。
クリニックによってはオプションで麻酔テープや麻酔クリーム、吸い込むタイプの麻酔(笑気ガス)を使用できるところもあります。これらを使用することで局所麻酔を注射する際の痛みも軽減できることがあるため、痛みに弱いという方や極力痛みを抑えたいという方は、クリニックに確認してみましょう。
ダウンタイム
個人差がありますが、ひきつれ感や糸を挿入した部位がえくぼのようにくぼむことがあります。これらは通常1週間程度で消失するでしょう。
また、麻酔や施術で皮膚に針を挿入するため、内出血やはれが生じることもあります。通常2〜3日で軽減していきますが、中には1週間程度持続することもあります。はれがひどい場合には患部を冷やすと軽減されることがあるため、医師に確認してみましょう。
ほかにも、皮膚に凹凸が生じたり、口が開けにくいと感じることがあります。このような場合にも、多くは2週間から1カ月ほどで馴染んできます。
施術頻度
糸リフト(スレッドリフト)の効果が持続する期間には、使用する糸の材質や種類、個人差にもよって異なります。通常、効果の持続期間は3〜5年程度とされています。
そのため、効果が薄れてきたと感じた場合や、効果を保ちたいという場合にはクリニックに施術頻度や間隔などを相談してみましょう。
施術前後の注意事項
糸リフト(スレッドリフト)では、麻酔や針による糸の挿入をするため、内出血やはれなどが生じることがあります。そのため施術後は炎症を悪化させないよう、体温を上げるようなことを控えるなどの注意が必要です。
また、体調の変化などがある場合には、クリニックに連絡しましょう。
具体的には、以下の事項に注意してください。
・施術前日・当日はお酒を控えてください
・洗顔は翌日から可能ですが、患部を強く擦らないよう注意しましょう
・入浴は患部のはれが引いてからとし、長時間入浴しないようにしましょう
・内出血やはれが引くまでは岩盤浴やサウナなどは控えましょう
・施術後2週間は飲酒、激しい運動、インディバ(高周波温熱療法)は控えましょう
・施術後1カ月は大きな口を開けたりしないよう注意しましょう(歯科受診など)
こんな方は受けられません
以下に該当する方は、糸リフト(スレッドリフト)を受けることができません。
・妊娠中や授乳中の方
・糖尿病、腎臓病、心臓病、脳血管疾患などの基礎疾患がある方
・麻酔薬のアレルギーがある方
・てんかん発作を起こしたことがある方
・極度の敏感肌の方
・皮膚にケロイドがある方
・皮膚に炎症や感染を起こしている方